柴田 年世 様

柴田 年世 様2008年1月24日、同窓会幹事会に、第16代同窓会長 柴田様をお招きし、お話を伺いました。

柴田 年世 様

第16代会長 H01年4月~H03年4月
神奈川県川崎市 ご在住

1963年(昭和38年)東京電機大学工学部第一部 電気工学科卒業
同年 オリジン電気(株)に就職

<大学同窓会の思い出>

34年に入学したときは、電気工学科、通信工学科の2学科で、2年後に電子工学科ができるので、3年生になるとき、両学科から電子に進学できるということでした。当時の学生数は、1部、2部、短大を合わせて1400名でした。この時代は、大学が大きく発展する時期でもあり、同期では、6名が大学に残りました。町、金田、阿部、が神田で、稲葉、木下、星野が鳩山におります。

同窓会は、同期の教授が次々と副会長を務めていた関係で、引っ張り出され、副会長、会長を務める事になりました。当時は就職は引く手あまたで、卒業生を採用するために、「就職懇談会」が活発で、同窓会としても、大きな事業のひとつでした。

同窓会時代の思い出は、卒業生名簿の電算機化が校友会で進められ、大学同窓会も大いに貢献しました。また、大学同窓会のホームページを開いて、これが新聞の記事に掲載されたことも懐かしい想いでのひとつです。

55歳で退職をし、現在は地域の難病患者会や青色申告会で、決算指導のボランティア活動をしております。

<仕事の思い出>

昭和38年に卒業し、オリジン電気(株)に就職しました。大半は地味な研究職におりましたが、仕事上で大きな成功の陰には、いつも同窓の先輩に大変お世話になりました。

研究部で静電粉体塗装機の開発をしていたときのことです。スプレーガン方式の静電粉体塗装機は、開発し尽くされ、特許も多く、後発のメーカーが進出する余地はありませんでした。そこで、静電流動層方式の粉体塗装に目をつけ、開発を行ったところ、静電塗装では塗膜が150ミクロンが限界とされていましたが、実験では数百ミクロンの塗膜を1回で作る事ができました。静電気学会の前身である静電気研究会でこの発表をしたところ、労働省産業安全研究所にお勤めの37ID卒の田畠泰幸先輩から、大変おもしろい現象なので、一緒に理論を研究しようともちかけられ、見事に塗膜150ミクロン説を覆して、900ミクロンの塗膜が理論的に到達する事が証明できました。

電電公社(現NTT)の営業をしていたときには、36IC卒の向井さんと出会い、電電社内教科書「電子回路」の執筆をさせていただいたり、英国ロンドンで開催された通信用電源の国際会議(インテレック)に日本代表で出席された向井さんの通訳として同席させていただく栄誉に預かることができました。

その他にも電大の先輩・後輩の協力を得て、多くの仕事に挑戦し、成果を挙げる事ができ、平凡なサラリーマンでしたが、電大の先輩のお陰で、楽しく仕事を満喫できました。

<編集者コメント>
オリジン電気にご就職後、55歳まで勤務。まさに昭和時代の基礎技術開発に従事されてこられました。ご定年後もボランティア活動に活躍され、当日は、熱心な語り口で当時の経験談を十分拝聴させていただきました。まだまだご活躍の折、健康には十分ご配慮の上、これからも学園・同窓会へのご指導ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
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