埼玉県支部主催「東京電力信濃川水力・柏崎刈羽原子力発電所技術研修見学会」報告

掲記技術研修見学会を地球温暖化防止と環境に優しいクリーンなエネルギーを身近に学ぶ目的で平成19年に計画しましたが,新潟県中越沖地震発生の影響で中止となっていました。柏崎刈羽原子力発電所の運転再開に伴い,優先的に見学が許可され,平成22年11月12日(金)・13日(土)に1泊2日バスツアーとして実施しました。実施にあたり,東京電力㈱からガイド付き大型観光バスの提供と渉外・広報担当者2名の添乗による便宜をいただきました。

両日とも天候に恵まれ,参加者は埼玉県支部の会員・他同窓会メンバーや新潟県央電機会長など34名となり盛会裏に実施できました。

1日目はJR川越駅西口を8時頃バスで出発。清津峡ドライブインで昼食・休憩をとり紅葉の山並みを楽しんだ後,信濃川上流の西大滝ダム(最大取水量179.5m3/s)を見学。続いてバスで1時間ほどかけて,同ダムから直径6m管路2条管長20km有効落差109.97mで受水し,フランシス水車5台を稼働し最大出力177MWの電気を発電している信濃川水力発電所へ向かい見学しました。竣工は昭和14年とのことで,当時の技術力に感嘆しました。

夜は東京電力出資の当間高原リゾートホテル「ベルナティオ」に宿泊して寛ぎました。催した懇親会では,美酒を酌み交わし,旧交を温め合う賑やかな声が聞こえました。

2日目は朝食後,バスで柏崎刈羽原子力発電所へ移動し,サービスホールで,3Dシアターによる「原子力発電所の仕組みや安全性,原子燃料サイクル」の受講と原子炉模型などを見学しました。その後,420万m2もある広大な同発電所敷地内をバスで移動し,柏崎市側の1~4号基,刈羽村側の5~7号基の計7基の原子力発電施設をバスの中から見学しました。7基すべて運転すると,合計出力は821.2万kWとなり世界最大の原子力発電所として,ギネスブックに認定されているとのことで,そのビッグさに驚かされました。また,ここで発電された電気は50万ボルト送電線2ルートにより,首都圏などに送電され,東京電力管内で使われている電気の約20%を占めているとのことでした。

この後,柏崎鮮魚センタにバスで移動し,昼食と鮮魚などの買物を楽しみ帰路につきました。参加者全員事故もなく無事にJR川越駅西口に20時頃帰着し解散しました。

両日とも,現地技術者の案内での見学でしたが,電気的に高度な質問が続出,さすが電機大卒業生ですねとのことで好評でした。また,各参加者は今回の旅行で見識を高められ有意義で満足して帰路につかれたものと思います。

この見学会実施にあたり東京電力の方々に大変お世話になり,お礼申し上げます。
(坂口記)

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